犬の熱中症はどんな症状?予兆はある?なってしまった場合の対応は?

床でぐったりするプードル

夏になるとニュースで毎日のように取り上げられる「熱中症」のニュース。

この数年は地球温暖化の影響もあってか、ピークの8月だけでなく7月でも猛暑日、あるいは9月になっても35度以上!なんてことも恒温になりつつあります。

そのため、犬の熱中症も発生件数が年々増加傾向にあると言われています。

ペットアドバイザーsana.suzukiの必見ポイント!
ペットアドバイザー sana.suzuki

「あれ…いつもと様子がちがうな」
「元気がないかな?」と感じたら、熱中症を疑いましょう。

 

熱中症の症状は?

力なくうなだれた様子の犬

まずは、犬が熱中症を起こしている場合に起こりうる症状について考察してみましょう。

 

  1. ぐったりとして、自力では立ちあがることができない
  2. 舌をダラっと出している
  3. よだれが多く出ている
  4. 目がうつろ
  5. 短く荒い息遣いをしている

室内や車中で留守番させているとき、エアコンを付けている状態であっても、日差しの強い空間は注意が必要です。長時間の待機は避けましょう。

ペットアドバイザーsana.suzukiの必見ポイント!
ペットアドバイザー sana.suzuki

「ほんの10分、20分程度だから…」と、エンジンを切った車に犬の取り残すようなことは絶対に避けましょう。

また、炎天下の屋外飼育ももちろん注意が必要です。
できるだけご家族がこまめに水やりをしたり、風通しの良い空間に移動させるなど工夫をして、熱中症になるのを防ぎましょう。

熱中症になってしまったら?

扇風機の前でぐったりする犬

熱中症になってしまったら、すぐに応急処置が必要です。

シャワーや水道がそばにある場合には、犬の全身に水をかけ、体温を下げてから、風通しの良い日陰、またはエアコンの利いた涼しいところへ移動させましょう。

ただし、濡らしたタオルや布で犬のからだを覆うのは気化する際の熱でかえって蒸し暑くなってしまうため逆効果です。

シャワーや水道の水は、そのままかけ流して使います。

氷や保冷剤がある場合には、薄いタオルなどに包んで首元や脇のした、内またに当てて部分的に冷やします。

また可能であれば、同時に行いたいのが水分補給です。

水分補給時のポイント

犬が水分補給する様子

脱水症状を悪化させないためにも、水分の補給は重要です。犬が自力で首をあげ、水分補給できるようであれば、まずは水を飲ませましょう。

ただの水を拒否する場合には、少し塩気や糖分で味のついた水を飲ませるほうが効果的な場合があります。スポーツドリンクがある場合には、水で薄めたものを与え、犬の嗅覚を刺激することで飲みやすくなることがありますので試してみると良いでしょう。

飲料を飲ませる際の注意点として、犬が自ら首をあげることができない場合には、無理に水分を流しこむようなことは避けましょう。誤って肺に流れ込むことで、むせて体力を消耗するようなことにつながるためです。

動物病院に連れて行くかどうかの判断はどうする?

動物病院のイメージ

応急処置が済んだら、考えるべきは、動物病院に連れて行くかどうかの判断です。

自分で水分補給ができて、涼しいところで休息させて、症状が和らぐようなそのまま少し様子を見てもよいかもしれませんが、気づいた段階で、ぐったりしていて、すでに脱水症状を起こしていたり、自分で水分補給ができない状態になっている場合には、速やかに病院を受診しましょう。

判断の基準について

ペットアドバイザーsana.suzukiの必見ポイント!
ペットアドバイザー sana.suzuki

緊急性があるかどうかの判断の基準は、犬の反応次第です。

  1. 飼い主の呼びかけにリアクションがない
  2. 自力で立ち上がることが出来ない
  3. 首を持ち上げることが出来ない
  4. 目がうつろでどこをみているかわからない
  5. 舌がダラっと出たままになっている

このような状態であれば非常に危険度が高い状態と言えます。
速やかに動物病院へ移送する準備をしましょう。

受診の際にすべきこと

動物病院への搬送の際、ご家族がいる方は、水分補給が中断してしまわぬよう、車を運転する方のほかに、もう一人同席できると便利です。

解説するガイド犬
編集部wan.taro
また、タオルやハンカチを水で十分に濡らし、犬の口に咥えさせておくといった方法もあります。

動物病院を受診する際には、事前に連絡を入れ、搬送後すぐに処置を受けられるように手配をしておくことをおすすめします。

診察の際は、異変に気づいた時刻や、思い当たる節について医師に明確に伝え、「舌が出てしまっている」「自分で立ち上がることが出来ない」などの諸症状をできるだけ丁寧に伝えることを心がけましょう。

熱中症を予防するには?

暑さで元気のない様子の室内犬

熱中症には、必ず兆候があります。

以下に当てはまる場合には、適切な対応を取る必要があります。

 

●犬と一緒に外出する際には、犬の息遣いに時々耳を傾けましょう。息遣いが急に荒くなったり、辛そうにしている場合、熱中症になっている可能性があります。まずは休息をとりながら、焦らず適切な処置をとります。

●ハアハアと短く、荒い息遣いをしている場合には、体温が上がりつつあるサインです。涼しい場所で休憩をさせ、水分補給をさせてあげましょう。

●室内で留守番をしている場合には、エアコンを可動させ、室温が一定以上に上昇しないように工夫をしましょう。

●屋外で暮らしている場合には、タープやよしずの活用や、係留用ロープを長いものに変え、犬が日陰を見つけて移動できるように工夫をしてあげましょう。

 

関連記事

    犬も私たち人間と同じように暑さによって体温が急上昇することで熱中症になることがあります。犬が患う熱中症も、人間の熱中症と同様、安易に見過ごすと命を落としかねない危険な症状であり、正しい予備知識と対策が必要[…]

室内で暑さにぐったりする犬
床でぐったりするプードル
最新情報をチェックしよう!