犬も私たち人間と同じように暑さによって体温が急上昇することで熱中症になることがあります。犬が患う熱中症も、人間の熱中症と同様、安易に見過ごすと命を落としかねない危険な症状であり、正しい予備知識と対策が必要です。

・「ハァハァ」息遣いが荒くなる
・心拍数が早くなる ※心臓の鼓動が早くなる
・歩こうとするが足元がおぼつかずフラフラする
・よだれを出してぐったりしている
・エサを与えてもいつものように食べない
・口の中や舌の色が青紫色になっている
・嘔吐や下痢の症状が見られる
・目つきがおぼつかずボーとしている
特に舌の色の変色、嘔吐や下痢、意識朦朧としていると言った症状は深刻な状態をあらわしており、一刻も早く獣医師の処置が必要と言えます。
熱中症になりやすい犬種は?
わたしたち人間でも熱中症になりやすい体質の人、そうでない人。さまざまいるように、犬の中にもなりやすい犬、なりにくい犬がいます。
熱中症になりやすい犬種の特徴は、ブルドッグ、ボストン・テリア、パグなどの短頭種。また、呼吸機能が弱い小型犬~中型犬などが熱中症にかかりやすいと言われています。
首周りの短い犬種も注意
ほかには、シーズー、ペキニーズなど。短頭種と同じように首の短い犬種も、元から呼吸の荒く、身体の構造上、熱中症になりやすい犬種と言われています。
肥満気味の犬も注意
太っている犬も熱中症には十分に注意しましょう。理由は、皮下脂肪を蓄えたことによって、呼吸器系や心臓に負担をかけていること。
また犬は発汗ができないため体内に熱が籠もりやすいという先天的なことも理由としてあります。
高齢犬は特に注意
このほか犬種ではありませんが幼犬や高齢犬といった体の体力が弱い犬種も熱中症にかかりやすいと言えます。特に高齢犬はひとたび熱中症になるとあっという間に命を落としかねないので十分に予防をしましょう。
知っておきたい!犬の熱中症 予防と対策スタディ
その1, 水分補給はこまめに
「熱中症対策には水分だけでなく塩分などの電解質も補給しましょう」
最近では熱中症の症状と対策について、よくこのようなメッセージが報じられるようになりました。
これは、じつは犬についても同じ。
犬のカラダも私たち人間と同様、呼吸や発汗、排尿、排便によって体内の水分をコントロールしているため、水だけ与えるのではなく、同時に塩分の補給が脱水症状を防ぐポイントとなります。特に8月の暑さがピークの1ヵ月前後。暑さで食欲不振、体力も落ちている時期は注意が必要で、急に嘔吐したり下痢をしてしまったりすることが起こりうります。
よく水分補給の代用品として、私たちが飲むポカリスエット、アクエリアスのような飲料水を与えるというオーナーさんもいるかもしれませんが、急な応急処置としては間違った方法ではありません。ただし、私たち人間が飲むこれらの飲料は糖分、塩分の濃度が少し心配です。もしやむを得ず与える場合には、少し水で薄めて与えるなど配慮しましょう。赤ちゃん、幼児のいるご家庭なら、ベビー用のスポーツ飲料などがあればこれを代用するのもおすすめの方法です。
夏場は常に水を枯らすことなく与え、散歩の際にも小まめに水分を摂らせて歩くようにしましょう。

犬の体液に近い電解質成分で水分とミネラルをすばやく補給できる飲料水です。発売元のアースペット株式会社は私たちが飲むポカリスウェットの販売元である大塚製薬の関連会社。ふだんから数本常備しておくといざというとき安心の商品ですね♪
その2, 凍らせたタオルやペットボトルを使う
室内犬にとってエアコン付けっぱなしでキンキンに冷えたお部屋で長時間過ごすということ自体あまりおすすめはできません。
外から帰ってきて涼む程度であれば良いのですが、長時間滞在すると、床が冷え過ぎて逆に辛く、体調を崩す原因にも繋がってしまいます。
かと言って、真夏の猛暑日にエアコン無しの室内空間と言うのも私たち人間ですら辛すぎて耐えられる環境ではありません。
理想は26℃~28℃前後。
この気温前後をエアコン無しで保てる日はエアコンなしでトライ工夫してみても健康的です。
真夏日、猛暑日の寝苦しい夜はエアコンに頼らざるを得ませんが冷やし過ぎに注意しましょう。 一緒に過ごしている部屋の中で冷房の行き届きにくいところや、そもそも日中日差しの当たらないところにケージを設けるのもコツです。
エアコンを付けずに過ごすときには、ペットボトルを凍らせてタオルで巻いたものをケージの中へ設置して自然な冷気を発生させて涼しく過ごさせる方法もおすすめです。
気をつけなければならないことは、猛暑日、真夏日が予想される日に閉め切った室内にエアコンなしで愛犬を放置して出かけないことです。犬も人間の赤ちゃん同様、熱気の籠もった室内に放置することは熱中症を通り越し非常に危険ですので絶対に止めましょう。
もし1時間~2時間程度の外出であれば、冷却したタオルやペットボトルなどのアイテムを上手に活用すれば、エアコンをつけずにケージの中を涼しい空間に変えて出かけられますが、帰宅時間が見えないときには、ペット預かりサービスを利用したり、健康に過ごせる温度に微弱に設定したエアコンで辛抱してもらうなど、安全を考慮した配慮が必要です。
その3, 散歩の時間帯を工夫する
室内犬にとって散歩は欠かすことのできない日課であり、ストレス発散の場です。しかし夏の炎天下での散歩に限っては注意が必要です。
私たち人間の感覚からすると、日差しの強い昼間を避けて早朝や夕方であれば大丈夫という感覚に陥りがちですが、犬のとってはどうでしょう?
じつは、これが落とし穴。
私たち人間は靴を履いているため、太陽の日差しさえ避けられれば多少の散歩程度なら平気なように感じてしまいますが、アスファルトの上を裸足で歩いている犬にとっては早朝、夕方であってもまだまだ危険な時間帯。
炎天下で快晴の日向になりやすい地面は、高温で午前10時ともなると、かなりの気温になってきますし、夕方16時~17時となっても、まだまだ余熱で火傷するほど熱いこともあります。
真夏の散歩に理想的な時間帯は早朝または日が沈んだあとの時間帯。
日が昇り気温が上昇する前に散歩の時間を設けたり、あるいは、日が沈んだあとの夕方以降に散歩するなど、アスファルトの高温な時間を避ける工夫が必要です。

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その4, 被毛のブラッシングで通気をよくする
被毛の長い犬種は夏場、自分の被毛のせいで熱気が籠もりがちです。特に湿度の高い日は汗と合わさりジトジト、ベトベト・・・
人間ほどストレスを感じてはいないかもしれませんが、暑さと言う意味では、辛い思いをしながら過ごしていることは間違いありません。
そこで大事になってくるのが毎日のブラッシングです。
日々のお手入れで梳かして空気の流れをよくしてあげることで、しないよりも断然、通気性がよくなり空気の流れができます。
角質が汚れてフケになって現れていたり、皮膚が炎症など起こしていないかなどにも注意しながら、こまめにブラッシングを行いましょう。

シャンプーをする前は、玉になったり絡まったりムラになったりを防ぐためにも、必ず事前にブラッシングを行うようにしましょう。
犬を留守番させる際、これだけは気をつけたい3か条
室内飼育しているワンちゃんを夏に留守番させる際は室内の温度上昇を想定し、熱中症対策をしっかりして外出しなければなりません。
最低限、絶対に忘れてはならない重要事項を考察していますので、予備知識として考えておきましょう。
その1, エアコンを切らずに外出する
急な用事や、ちょっと近所までお買い物に出かける際、急いでエアコンを切って出かけてしまったがゆえに、帰宅すると愛犬がぐったり熱中症に・・・なんてことだけは絶対に避けなければなりません。
閉め切っていて、エアコンなどの空調をつけていない状態の室内はみるみる室内温度が上昇し、あっという間にサウナ状態。
特にマンションなどの集合住宅のようなところや、日当たりの良い室内の気温上昇スピードには要注意です。
真夏の間は、僅かな時間であっても、エアコンは付けたまま外出するよう心がけましょう。
また、理想のエアコンの設定温度は外気や犬種によっても異なりますが、およそ25~28℃付近が快適に過ごせる温度と言われています。(犬種によってはもっと低くてもかまいませんが、23度以下など、低過ぎにもご注意ください。)
その2, 飲み水を多めに準備して外出する
外出時、飲み水を置いて外出することも非常に重要です。
暑さにバテたり、熱中症の原因である脱水症状に陥りそうになったとき、飲み水は生命線です。
身体が辛い、しんどいと感じたときには犬も自然と身体が飲み水を欲し、頼りにします。
飲み水は少し多いぐらいに準備をし、外出するようにしましょう。
その3, ケージやサークルの設置位置に注意
愛犬がいつも定位置にしているケージやサークル、愛用のクッションなどのスペースは、窓際や日差しの入る日なたから、直射日光にならない日陰の位置へとずらしましょう。
空調の利いたエアコンの室内でも直射日光のあたる場所の温度は高くなります。
急な外出に備えて、夏場は日頃から移動させておく、というのが「備えあれば憂いなし」なのかもしれません。
夏になるとニュースで毎日のように取り上げられる「熱中症」のニュース。 この数年は地球温暖化の影響もあってか、ピークの8月だけでなく7月でも猛暑日、あるいは9月になっても35度以上!なんてことも恒温になりつつあります。 そのため、犬の[…]